大正製薬はなぜMBOで上場廃止するの?理由や今後はどうなるかを調査!

大正製薬はなぜMBOで上場廃止するの?理由や今後はどうなるかを調査! トレンド

11月24日、大正製薬ホールディングス(HD)がマネジメント・バイアウト(MBO)により上場廃止する方針を明らかにしました。株式公開買い付け(TOB)価格は1株8620円です。

このMBOは約7100億円の総額となり、これは日本企業のMBOとしては過去最大規模と見られています。

  • 大正製薬がMBOで上場廃止する理由は?
  • 今後はどうなる?

これらについてお話していきます!

大正製薬が上場廃止する理由は?

上場廃止する理由は?
  • 経営体制を迅速に意思決定できる形に再構築する必要がある
  • 将来的には、先行投資による短期的なキャッシュフローの悪化が予測され、上場が中長期的な施策の遂行に支障をきたす可能性が高いと判断された
  • 企業価値の最大化とグループの持続的な成長を目指し、積極的に先行投資や構造改革を進める方針をとりたい
  • 中長期的な経営視点が求められているとして、非公開化を目指す必要がある

大正製薬は、中長期的な視点から企業価値を向上させつつ、株主に発生する悪影響を回避するために、マネジメント・バイアウト(MBO)の手法を用い、大正製薬の株式を非公開化することが必要と考えています!

これにより、短期的な株式市場の評価にとらわれない経営体制を構築することが出来ます!

中長期的に企業価値を上げるためには上場を廃止することで迅速に意思決定ができる経営体体制を作ることができるので、メリットが大きいのですね!

株主の悪影響を回避する目的もありますね♪

背景

背景
  • 医薬品・ヘルスケアビジネス市場は、個人の生活観や価値観の変化、デジタル化の進展、高齢長寿化に伴う社会保障費や特に医療費の増加問題など、社会・経済環境の変化の中で大きな変革期を迎えている
  • 新型コロナウイルス感染症の拡大を機に、ネット販売などの生活者への直接販売が広まり、情報伝達やモノの流通経路が大きく変わりつつあり、その変化のスピードが急速に増加していること
  • 特にアジア市場では、人口増加と経済成長が背景となり、海外のOTC医薬品市場が著しく成長しており、これによりビジネスチャンスが十分に存在していること
  • 薬価制度の変革や開発の難易度の向上など、大正製薬の環境が厳しい状況にある
  • 大正製薬グループがこれまで通りに既存の各事業を発展させるだけでは、持続的な成長を達成することは難しい状況にあります。

大正製薬は、これまでの理由から非常に厳しい状況に直面しています。また、海外のOTC医療品市場におけるビジネスチャンスへの先行投資を望む意欲があり、そのために上場廃止を決定しました

今後はどうなる?

大正製薬が上場廃止した後目指す目標は以下のとおりです

目指す目標
  • セルフメディケーション事業における営業体制の抜本的な見直し、ECサイトの拡充
  • 医者の処方箋なしにドラッグストアなどで購入できるOTC医薬品の海外市場の拡大(特にアジア市場)
  • 新薬の開発だけでなく、他社からのライセンス導入などを目指す

営業体制の抜本的な見直し、ECサイトの拡充

具体的に・・・
  • 営業人員を店頭に配置したフルライン体制から、自社ECサイトなどを活用したネットビジネスへの軸足の移行が必要と認識している。
  • 営業人員の配置を根本的に見直し、通信販売を含むネットビジネスの推進に向けた基本インフラ(IT、セキュリティなど)や宣伝費・販促費への積極的な投資を行うことが計画されている。
  • 短期的には売上に対するコストが増加する見込みであり、中長期的な視点での取り組みとなるが、小売りとのバランスを考慮しながら、拡大可能なビジネスを構築する

背景は、新型コロナウイルス感染症の流行を契機として、個人の生活観・価値観の変化やデジタル化の進展等を背景にネット販売や通信販売をはじめとした生活者への直接販売が拡大しており、購買パターンが大きく変容していること

OTC医薬品の海外市場の拡大

具体的に・・・
  • 成長事業として当社グループの業績を引き続き牽引するためには、有望なOTCブランドの買収を通じて製品ポートフォリオを拡大することが有効と考えている。
  • 特に、アジアでブランド力を有するOTC医薬品メーカーへの投資機会に積極的に探索・検討していく方針があります。

人口減少に伴う国内需要は頭打ちが懸念されますが、海外市場では、市場規模が拡大ているため成長が見込めます!

他社からのライセンス導入など

具体的に・・・

新薬の開発だけでなく、他社からのライセンス導入や国内外のバイオテック企業、製薬企業、アカデミアとの技術提携、産学連携、およびオープンイノベーションを積極的に進め、新薬シーズの獲得を目指していく

アカデミアとは、大学や国立の研究開発機関等の公的な研究機関です!

技術を提携することによって革新的な新薬のシーズを迅速に見出して育成する目的を果たせます

まとめ

今回は、大正製薬がMBOにより上場廃止する背景と今後の展望についてお伝えしました。

上場廃止の理由として、上場企業のままでは中長期的な施策の遂行に支障が生じる可能性があり、また、状況の変化に迅速に対応する必要性があったためです。

大手企業による上場廃止が増えている中、変化する状況に対応するための重要性が感じられます。

ご覧いただき、ありがとうございました!

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