【RIZIN】篠塚辰樹はなぜMMAデビュー戦で秒殺負け?ヒロヤ戦で露呈した”MMAの壁”とは?

【RIZIN】篠塚辰樹はなぜMMAデビュー戦で秒殺負け?ヒロヤ戦で露呈した"MMAの壁"とは? スポーツ

2025年5月4日、東京ドームで開催された「RIZIN男祭り」。多くの注目が集まった一戦、元Krushフェザー級王者・篠塚辰樹選手のMMAデビュー戦は、わずか131秒でのTKO負けという衝撃的な結果に終わりました。

対戦相手は、”未来一門のヤングガン”ことヒロヤ選手。試合前から舌戦を繰り広げ、因縁の対決として盛り上がりを見せていただけに、この結末に驚いたファンも多いのではないでしょうか。

「キックであれだけ強かった篠塚選手が、なぜMMAではこうも簡単に負けてしまったのか?」
「試合で一体何が起きていたの?」
「ヒロヤ選手が言った『MMAなめんなよ』って、どういう意味?」

この記事では、そんな疑問やモヤモヤを抱えるあなたに向けて、篠塚選手がMMAデビュー戦で秒殺負けを喫した理由、そして露呈した“MMAの壁”について、試合展開や両選手の背景を交えながら徹底解説します。

衝撃の131秒… 試合で何が起こったのか?

ゴングが鳴り、試合は静かな立ち上がりを見せます。打撃を得意とする篠塚選手は、距離を探りながらパンチを放ちますが、対するヒロヤ選手は冷静でした。

開始間もなく、篠塚選手の打撃をかいくぐったヒロヤ選手が一気に組み付き、テイクダウンに成功します。ここからが、MMA経験で勝るヒロヤ選手の独壇場でした。

ヒロヤ選手は流れるようにサイドポジションを奪うと、篠塚選手の左腕を自身の脚で巧みにコントロール(=腕を殺す)。これにより篠塚選手は効果的な防御や脱出が困難な状況に陥ります。

自由になったヒロヤ選手は、容赦なく顔面へパンチ、鉄槌、そして強烈なヒジを打ち下ろし続けました。

篠塚選手は必死に体を起こそうともがきますが、ヒロヤ選手の的確なコントロールの前に脱出は叶いません。一方的に攻撃を受け続け、ダメージが深まったところで、篠塚選手のセコンドからタオル(バトン)が投入

試合時間はわずか1ラウンド2分11秒、ヒロヤ選手のTKO勝利となりました。

なぜ秒殺負け? 篠塚辰樹がぶつかった”MMAの壁”

キックボクシングやベアナックルで高い打撃スキルを見せてきた篠塚選手が、なぜMMAでは力を発揮できなかったのでしょうか?

そこには、MMA特有のいくつかの「壁」が存在します。

グラウンド(寝技)対応力の差

今回の敗因として最も大きいのが、グラウンド(寝技)における技術と経験の差です。

  • テイクダウンディフェンス: 組み付かれた際に倒されない防御技術。
  • グラウンドでの防御: 下になった際にダメージを最小限に抑え、有利な体勢を作らせない技術。
  • エスケープ(脱出): 不利なポジションから脱出する技術。

篠塚選手はボクシング・キックボクシングで高い実績を持ちますが、MMAの練習期間は約2年と公言していました。

対するヒロヤ選手は、MMAで20戦以上のキャリアを持ち、「朝倉未来1年チャレンジ」を経てRIZINで戦ってきた叩き上げです。

今回の試合では、テイクダウンを許した後のグラウンドコントロール、パウンドやヒジの打ち方など、MMAファイターとしての総合力の差が明確に表れました。

組み技(レスリング・柔道)の重要性

MMAは「総合格闘技」の名の通り、打撃だけでなく、相手を倒すための組み技(レスリング、柔道など)が非常に重要です。

どれだけ優れたストライカーでも、組まれてテイクダウンされてしまえば、得意の打撃を活かすことはできません。

ヒロヤ選手はまさに、篠塚選手の強みである打撃を封じるために、徹底して組み付き、テイクダウンを狙う戦略を実行し、成功させました。

これは、立ち技格闘技出身者がMMAに挑戦する際に、まずぶつかる大きな壁と言えます。

MMA特有の距離感と攻防

キックボクシングとは異なり、MMAではタックルや組み付きを常に警戒する必要があります。そのため、打撃を当てる距離感や攻防のリズムも変わってきます。

オープンフィンガーグローブでの戦いという違いもあります。

篠塚選手も警戒はしていたはずですが、一瞬の隙を突かれて組み付かれ、自身の得意な展開に持ち込めませんでした。これもMMA経験の差が出た部分と言えるでしょう。

勝者ヒロヤ「MMAなめんなよ」発言の真意と今後の野望

完勝したヒロヤ選手は、試合後のマイクで「MMAなめんなよ」と語りました。

これは、MMAの厳しさ、奥深さを体現した自身の勝利と、デビュー戦で挑んできた篠塚選手へのメッセージが込められていたのでしょう。

しかし、同時に「このケンカはこれで終わりです。彼がMMAに来て盛り上がったのは確実なので、その男気はみんな認めてください」と、リスクを背負って挑戦した篠塚選手へのリスペクトも示しました。

試合後のインタビューでも、「篠塚に『MMAナメるな』って気持ちはあるけど、それを言っていいのは俺だけ。挑戦した人間にそういうことを言うのは違う」と、SNSなどでの批判に対して釘を刺しています。

さらにヒロヤ選手は、「主人公がいないGP(フライ級グランプリ)面白くないでしょ。どうですか俺が参戦したら盛り上がると思いませんか?」と、開催が噂されるフライ級グランプリへの参戦を強くアピール。

RIZINデビュー戦で敗れた伊藤裕樹選手へのリベンジも見据え、「アメリカに行って、もっと強くなりたい」と、さらなる飛躍を誓いました。

篠塚辰樹の今後は? MMA挑戦の意義

MMAデビュー戦はほろ苦い結果となった篠塚選手。

試合後は悔しそうに天を仰ぎました。試合後のインタビュー動画では「負けたけど負けてない。絶対に強くなってヒロヤにやり返す。MMA最高」と、前向きな言葉も語っています。

今回の敗戦で露呈したグラウンド技術という明確な課題

これを克服するには相当な努力と時間が必要でしょう。しかし、元Krush王者まで登り詰めた才能と打撃スキルは本物です。

今回の経験を糧に、弱点を強化し、MMAファイターとして進化していくことができれば、再び輝きを放つ可能性は十分にあります。

キックボクシングでの成功を捨て、高額な違約金を払ってまでMMAの世界に飛び込んできた篠塚選手の「男気」。

その挑戦自体が、多くの格闘技ファンに興奮とドラマを与えてくれました。今回の敗戦は、彼のMMAストーリーの序章に過ぎないのかもしれません。

まとめ:MMAの厳しさと挑戦者のドラマ

今回の篠塚辰樹選手 vs ヒロヤ選手の一戦は、MMAという競技の厳しさ、そして立ち技トップファイターが転向する際の”壁”を改めて示す結果となりました。

特に、テイクダウンからのグラウンドコントロールという、MMAの基本的な攻防で明確な差が出たことは、篠塚選手にとって大きな課題として突き付けられました。

一方で、完勝したヒロヤ選手はフライ級戦線での存在感を高め、今後の活躍に大きな期待を抱かせました。そして、敗れはしたものの、リスクを恐れず新たな挑戦に踏み出した篠塚選手の姿勢は、多くの人々の心を打ちました。

果たして篠塚選手は”MMAの壁”を乗り越え、この世界で成功を掴むことができるのか? ヒロヤ選手はフライ級の「主人公」となれるのか? 二人の今後のストーリーからも目が離せません。

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