なぜ元横綱・白鵬は相撲協会を去るのか?退職の理由と背景、角界が抱える根深い問題とは

なぜ元横綱・白鵬は相撲協会を去るのか?退職の理由と背景、角界が抱える根深い問題とは スポーツ

角界に衝撃が走っています。

史上最多45回の幕内最高優勝を誇る元横綱・白鵬こと宮城野親方が、日本相撲協会に退職届を提出したとの報道が相次いでいます。

2025年5月30日の文春オンラインやスポニチアネックスなどが報じたもので、現時点では協会側は退職届を保留扱いとし、6月2日に臨時理事会で宮城野部屋の今後について協議する予定とのことですが、宮城野親方の決意は固いとされています。

輝かしい功績を残した大横綱は、なぜ角界を去るという決断に至ったのでしょうか?

この記事では、報道されている情報や関係者の声、そしてファンの反応を元に、宮城野親方退職の背景にある理由や角界が抱える問題点について深掘りしていきます。

報道された宮城野親方(元白鵬)退職の経緯と現状

複数の報道によると、宮城野親方は2025年5月場所中に退職を決意し、既に後援者やスポンサー関係者にはその意向を伝えているとのことです。

表向きは退職を否定していた時期もありましたが、それは場所中の混乱を避けるための配慮だった可能性が指摘されています。

協会は退職届を受理せず、6月2日に臨時理事会を開き、閉鎖中の宮城野部屋の処遇について協議するとしていますが、関係者の間では「タイミング的に遅い。親方の決意は固い」との声も上がっており、このまま角界を離れることが濃厚視されています。

では、一体何が宮城野親方をこのような決断に追い込んだのでしょうか?

宮城野親方が退職を決意した3つの大きな理由とは?

報道や関係者の話を総合すると、宮城野親方の退職決意の背景には、主に以下の3つの理由が考えられます。

理由1:閉鎖された宮城野部屋…再興への道筋が見えない絶望感

2023年2月、宮城野部屋の元弟子による暴力事件が発覚。

この責任を問われ、宮城野親方は師匠失格の烙印を押される形で2階級降格処分を受け、部屋は閉鎖。

所属力士らは伊勢ヶ濱部屋へ転籍となりました。

文春オンラインによると、宮城野親方は宮城野部屋の再興を目指していましたが、その道は険しいものでした。

特に、2025年3月の大阪場所後の理事会で、八角理事長が「あと1年は(宮城野部屋の)再興を認めない」と断言したことが、宮城野親方の心を折る大きな要因になったと報じられています。

部屋の再興時期が全く見通せない状況は、指導者としてのキャリアを築こうとしていた親方にとって耐え難いものだったのかもしれません。

読者からは、「あまりにも処分に差があり過ぎて、理不尽」「片や宮城野部屋は一度の失敗で無期限閉鎖。この1年一度も再興について話し合いはされていなかったとか。あまりにも酷すぎる」といった、処分の不公平性を指摘する声も上がっています。

理由2:「辞めたきゃ辞めれば」発言も?照ノ富士との根深い確執

もう一つの大きな要因として、伊勢ヶ濱部屋の師匠交代問題が挙げられます。

伊勢ヶ濱親方(元横綱・旭富士)が2025年7月に定年を迎えるにあたり、6月初旬にも名跡を照ノ富士親方(元横綱)に譲渡する見込みだと報じられています。

これにより、部屋付き親方である宮城野親方は、現役時代から確執が噂される後輩横綱・照ノ富士の下につくことになります。

文春オンラインは、宮城野親方が「1日たりとも照ノ富士の下にはつきたくない」と話していたと報じており、そのリミットが五月場所後だったとしています。

さらに、照ノ富士自身も宮城野親方の去就に関して「俺の下につきたくないんでしょ。辞めたきゃ辞めればいいじゃん」と勝ち誇ったように語ったとも伝えられており、両者の溝は相当深いようです。

スポニチアネックスも、「現役時代の実績も指導者としてのキャリアも、自分より下の照ノ富士親方のもとで、親方業を続けることが納得できなかったのではないか」と胸中を推察しています。

理由3:協会執行部との埋まらない溝と不信感

宮城野部屋の再興問題や照ノ富士との関係に加え、日本相撲協会執行部とのコミュニケーション不足や不信感も、退職決意を後押しした可能性があります。

報道によれば、宮城野親方に同情的な若手親方も多く、モンゴル勢最古参の大島親方(元関脇・旭天鵬)も必死で退職を引き止めようとしていたとされています。

しかし、八角理事長をはじめとする協会執行部は「冷淡に無反応を貫く」と文春オンラインは報じています。

同じ伊勢ヶ濱一門の理事である浅香山親方(元大関・魁皇)が宮城野部屋の再興を提案してきたものの、理事会で退けられたことや、他の部屋(浅香山部屋や大島部屋など)への再転籍が検討されることもなかったという事実は、宮城野親方にとって協会への不信感を募らせるには十分だったのかもしれません。

読者のコメントの中には、「宮城野親方の所業を擁護するわけではありませんが、協会が事実上「追い出す」方向に動いたように感じられてなりません」「引退後の外国人元力士への対応が厳しく感じられる」といった、協会の対応を疑問視する声や、外国人差別ではないかという疑念(慎重に扱うべきですが、そういった声があることは事実です)も見受けられます。

角界の功労者・白鵬が協会に残れない…繰り返される歴史?

幕内最高優勝45回、通算1187勝、幕内通算1093勝、全勝優勝16回など、数々の金字塔を打ち立てた元横綱・白鵬。

その功績は計り知れず、引退後は指導者として角界の発展に貢献することが期待されていました。

しかし、今回の退職報道は、かつて一時代を築いた貴乃花や朝青龍といった大横綱が、引退後に協会を去っていった歴史を想起させます。

読者からは、「貴乃花、朝青龍、白鵬と一時代を築いた横綱を引退後協会に残せず流出させてしまうのは、協会のガバナンスが全くなってないということ」「手懐けられない者を排除するというのは指導力がないことを晒してるだけ」といった厳しい意見が寄せられています。

相撲ライターの西尾克洋氏も、「大相撲の発展に多大な貢献をしてきた宮城野親方の損失は一人のファンとしてショックです」「個人的に気にしているのは処遇に不満があったと言われている宮城野親方とここまでどのようなコミュニケーションを取ってきたかということです」とコメントしており、協会側の対応に疑問を呈しています。

読者の声から見える、日本相撲協会の根深い課題とは?

今回の宮城野親方の退職報道に対する読者の反応は、単に一個人の去就問題に留まらず、日本相撲協会が抱える構造的な問題を浮き彫りにしています。

  • 処分の不公平感:「二所ノ関部屋の大の里が横綱昇進したタイミングというのはたまたまだと思いますが、これで良いと思います。あまりにも処分に差があり過ぎて、理不尽」「片や宮城野部屋は一度の失敗で無期限閉鎖。この1年一度も再興について話し合いはされていなかったとか。あまりにも酷すぎる」など、他の不祥事と比較して宮城野部屋への処分が厳しすぎると感じる声が多く見られます。
  • 排他性と閉鎖性への批判:「イジメとも言われているけど、ちょっと相撲協会は排他的過ぎるよね」「日本にも帰化して相撲に貢献した大横綱にこの仕打ちは日本人としては恥ずかしい」「つくづく風通しの悪い組織だなと思います」など、協会の体質に対する批判が目立ちます。
  • 指導力・ガバナンス不足:「そりゃ八角なんかが理事長やってるからに他ならないんだけどね」「理事長が力士出身者である限り、限界がありそう」「そもそも年寄株とかいう制度にも問題がありますし」といった、協会運営や制度そのものへの疑問の声も上がっています。

これらの声は、協会が伝統を守る一方で、時代の変化に対応しきれていない、あるいは一部の権力者にとって都合の良い運営がなされているのではないかという不信感の表れと言えるかもしれません。

まとめ:宮城野親方退職が角界に投げかけるもの、そして未来への展望

元横綱・白鵬、宮城野親方の退職の意向は、本人の複雑な胸中だけでなく、日本相撲協会が長年抱えてきた課題を改めて浮き彫りにしました。

宮城野部屋の再興問題、照ノ富士との確執、そして協会執行部とのコミュニケーション不全。

これらが絡み合い、大功労者である宮城野親方を角界から去らせるという事態に繋がった可能性は否定できません。

今後、臨時理事会でどのような話し合いがなされ、最終的にどのような結論に至るのか注目されますが、宮城野親方の意思が固いとすれば、角界にとって大きな損失となるでしょう。

ファンや関係者からは、協会の体質改善や、より開かれた組織運営を望む声が強く上がっています。果たして今回の出来事が、角界が良い方向に変わるきっかけとなるのでしょうか。

そして、もし宮城野親方が角界を去ることになった場合、その後の活動にも注目が集まります。

モンゴルでの活動や、タレントとしての新たな道など、その卓越した相撲知識と経験を活かせる場は多岐にわたるでしょう。

多くのファンは、形は変われど、宮城野親方が何らかの形で相撲界に関わり続けてくれることを願っているのではないでしょうか。

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