12月26日に金融庁は、4つの大手損害保険会社が事前に企業用の保険料を調整していた疑いに関して、業務の改善を指示する命令を出しました。
このような大手損害保険会社への対応は、平成19年に保険金の支払いに関する問題が発生して以来、16年ぶりです。
- カルテル疑いの損保大手4社はどこ?
- 違反内容や背景を調査!
これらについてお話していきます!
カルテル疑いの損保大手4社はどこ?
カルテル疑いにより処分を受けたのは以下の4社になります
- 東京海上日動火災保険
- 損害保険ジャパン
- 三井住友海上火災保険
- あいおいニッセイ同和損害保険
違反内容は?
4社は複数の損保が共同で契約を引き受ける企業向け保険料を事前に会合を開くなどして入札価格を調整していた
少なくとも100社を超える企業向け保険で、事前調整が疑われる契約があったとされています。
売上高の収入保険料は、4社の市場占有率は約8割以上を占めています。大きな保険契約は主にこの4社に集まっているため、競争が制限されている状態となっています。
100社を超えるとなればカルテルが常態化していた可能性があります
背景は?
2022年12月に東急グループ側が大手4社による火災保険の契約について事前調整をしている可能性があるとして、指摘したことが始まりです
「保険料カルテル」に疑いを持ち、東京海上の営業部門に指摘し発覚したが、最終的には入札をやり直し、東急側は当初より大幅に安い火災保険料で契約が出来るようになりました
ただ、契約中の東急グループの賠償責任保険についても4社で調整したような形跡があるとして、公正取引委員会は、調査に乗り出すことに・・・
金融庁は2023年6月までに大手4社に報告徴求命令を発出し、適切な価格調整が疑われる事案が幅広く存在する可能性が高まったとして、全営業部店を対象とする追加の報告命令を発令
そして12月19日に独占禁止法違反の容疑で損害保険大手4社に対して立ち入り検査が入りました
初めは東京海上日動火災保険の一社員が引き起こしたとして説明されていましたが、実際は企業向けの共同保険分野で、違反行為が広くまん延している可能性があるとして、公取委は厳しい態度で調査を始めました
今後の流れ
金融庁は12月26日に4社に対し、保険業法に基づき業務改善命令を出しました
処分を受けた4社は今後、改善計画を提出し、定期的に進捗状況を報告する必要がある
今後、独占禁止法に違反したことが明らかになれば「課徴金」の納付を命じる流れになります
まとめ
今回は、カルテル疑いの損保大手4社はどこ?違反内容や背景を調査!についてお話しました
まさか大手4社による保険料カルテルが横行しているとは思いもしませんでした
世界的に自然災害が多く保険会社は厳しい競争を強いられている状況であるのは仕方がないことではあるのかもしれませんが、クリーンな経営で信頼を取り戻してほしいと思います
読んでいただきありがとうございました!
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